No.8 耳いれの器 Ear container, black ware

八木一夫 / YAGI Kazuo

  • 「No.8 耳いれの器 / Ear container, black ware」の写真 その1
  • 「No.8 耳いれの器 / Ear container, black ware」の写真 その2
  • 「No.8 耳いれの器 / Ear container, black ware」の写真 その3

Box
共箱
with box signed by the artist
サイズ
Size
15.8 / 10.2 / H5.8cm
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八木先生は用途があることが当たり前であった陶芸の世界において、純粋に造形を追求した。器としての機能を持たない先生の作品は「オブジェ焼」と呼ばれ、その思想は現代のアートに繋がっていく。
本作品は黒陶である。焼成時に黒い煙で燻すことでこのような黒い作品が生まれる。開いたページの左側には人の耳が入るほどの窪みが見られる。内部は焼成された後、朱漆で赤く塗られ、中央には黒く深い亀裂が生じている。作品名の通りなら、この窪みに収まるのは耳なのだろう。仄暗い不気味さをも感じ、一度見たら忘れることの出来ない作品である。これもまた八木先生のオブジェ焼に宿る魅力の一つだ。右側面に「八木」の印銘あり。

所載:
『八木一夫作品集』 講談社 1980年