No.19 黄地紅彩雲龍文壷 Jar with dragon and cloud design, yellow glaze under red enamel

加藤土師萌 / KATO Hajime

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Box
共箱
with box signed by the artist
サイズ
Size
13.0 / H13.3cm

加藤土師萌先生が瀬戸、多治見という土地で得た技術と知識を生かし、神奈川県日吉に窯を築き挑戦したのが日本と中国の古陶磁の再現であった。とりわけ中国の嘉靖年間(1522 ‐ 66 年)に途絶えた高度な技法とされていた黄地紅彩、そして萌黄金襴手の研究・再現は先生の作品の中でも重要な仕事であった。
本作(No.19)及びNo.20~22の作品はいずれも「黄地紅彩」の技法を用いた作品である。箱書に依れば日本に当時2作品しかなかった同技法の龍文壷を本歌として制作したものだとある。岩石と波、雲の間に5本爪の龍が2匹描かれており、黄釉と赤釉が重なった背景の部分は褐色を呈している。小品ではあるが筆致は力強く、単なる技法の再現ではなく自身の作品としての創作性も十分に感じる。底部には本歌に倣い染付銘で「大明嘉靖年製」とあり、側面底部に「圡」の描銘がある。昭和29年(1954)作。

所載:
『加藤土師萌作品集』 朝日新聞社 1974年
「人間国宝をしのぶ 加藤土師萌陶業展」 日本橋髙島屋他 1974年
『現代日本陶芸全集〈第十二巻〉やきものの美-加藤土師萌』 集英社 1982年
「近代陶芸をささえた巨匠 加藤土師萌回顧展」 瀬戸市文化センター 1990年

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