Tea bowl 加彩冨貴図碗

高台脇に石黒の石（ストーンのＳ）に由来する「Ｓ」字の刻印銘がある。 これは最晩年に用いられたもの。
粉引の上に迷いなく走らせた赤絵を施し上絵付した釉上加彩による「牡丹の花」は暖かく純白の白化粧に映えて生き生きとしている。 中国原産の牡丹は、中国で「花王」を意味する富貴の象徴とされた。
高台に見られる情緒ある轆轤目、中心をややずらした透明釉の掛け方、どれをとっても宗麿先生の美意識を感じることが出来、色鮮やかで美しい碗である。