Sake bottle, Bizen, "the Oympics" 備前徳利 銘「五輪」

1964年、アジアでの開催が初という記念すべき大会となった東京オリンピックが開催された年、その年に因んでということでしょうか……徳利に『五輪』という銘を付けられた。

世界的な陶磁器研究者であった小山先生、多くの陶芸家とも親交が深く、自ら「窯場あらし」と称して各地の陶芸家のもとを訪ね様々な種類の作品を制作されています。

本作は備前の藤原啓先生の窯で作陶されたもの。
上部は覆って灰を掛けずに火襷に。
悠然とした姿が魅力的な徳利です。

銘を付けた徳利は小山先生の作品の中では非常に珍しいもので、この年から本格的に作陶を再開された先生自身も東京オリンピックに対し、何か特別な感情を感じていたのかも知れません。