Sake cup, Shino 志野酒盃

内側から滲み出るような薄桃色が美しいぐい呑。口縁は輪花形で、色も相まって梅の花のように見える。逆さにして指ごと全体を釉に潜らせたのだろう、高台横に４ヶ所の指跡が残っており、そこから覗く土肌は鮮やかな緋色に発色している。高台にはたっぷりと釉が溜まり、見事な梅花皮が現れている。形の柔らかさや釉の色合いも含め、荒川豊藏先生の愛した志野の魅力が詰まっている。