【ひとりたのしむ　昭和巨匠陶藝逸品展】 The Grand Masters of Showa Era No.1　加守田章二　一九七五彩色壷 / KAMODA Shoji　Vessel, 1975

1975年に南青山グリーン・ギャラリーで発表された赤の翼状の文様を器体に描き込んだシリーズの一つである。底面から口縁部にかけての文様は、その1つ1つがそれぞれわずかに揺らいでいるのに、全体として眺めると一定のリズムを醸し、作品に美しい調和をもたらしている。口縁部の両端には切り込みがあり、底部は少し浮かせている。「私の作品は外見は陶器の形をしていますが中身は別のものです　これが私の仕事の方向であり　又私の陶芸個人作家観です」と語っていた加守田先生。底部に「章　一九七五」の彫銘がある。

『加守田章二 全仕事』（2005 講談社）所載作品