2022冬【ひとりたのしむ 昭和巨匠陶藝逸品展】 3.　加守田章二　一九七七壷　／　KAMODA Shoji　1977 Vessel

『加守田章二全仕事』講談社（2005年）所載作品

器形は下部から中ほどで緩やかに細くなり、また上部に向かって拡がりを見せる。口縁の四箇所にはそれぞれ切り込みを入れており、先端に行くに従って厚みを薄く整えている。一方、高台部分は底上げし四面にそれぞれ2cmほどの長方形を切り抜いている。この年代の特徴的な羽衣のような模様が青釉と白釉、黒釉で配されている。逆側は一本の木を想起させるような下から伸びる模様となっている。小さめの壷ながらもディテールにこだわった造形と模様が絶妙なバランスを感じさせてくれる。底部に「一九七七」「章」と二行で彫銘されている。