-
箱
Box -
共箱
With box signed by the artist -
サイズ
Size - 12.0 / H7.5cm
売約済 / sold
明治・大正期を代表する大コレクターであった赤星弥之助氏を祖父に持つ松菴先生が数寄者の道へと進むのは自然なことであったのだろう。茶道へ傾倒すると共に茶杓、そして備前、信楽、志野、織部、楽といったやきものを自ら造っていった。掌中にすっと馴染む静かな姿の黒楽である。手取りは軽く心地よい。一見すると炎の加減で釉薬の色調が変化したように見えるが、仔細に見ると細かな霧状の金を吹きかけたように全体を金が覆っているのが分かる。特に口縁には一部しっかりと金が残り、かせた肌の寂びた風情と金の艶やかな対比が実に面白い。箱書から昭和40年(1989)、先生64歳の作と分かる。