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箱
Box -
共箱
with box signed by the artist -
サイズ
Size - 15.4 / H5.1cm
売約済 / Sold
「唐九郎志野」と言えば昭和40年代からの独自の世界観が強く現れる時期に名品が多いが、その前の時代に制作されていた桃山陶に倣った作品の数々は、他の作家とは比較にならない程にその本歌の本質に迫る領域に達していたと言えよう。
中でも得意としていたのが鼠志野。額鉢や本作のような向付で優品を残している。鬼板で化粧した後に掻き落とした草文は伸びやかで、角を丸く変形させた四方の縁の姿はどこか柔らかさがある。何よりも素晴らしいのは鬼板の発色と掻き落とした文様のコントラストである。底には四隅に足が付く。