秋澄む
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コロナ禍で休止していた呈茶のおもてなしを九月から再開いたします。
異常気象や災害などで忘れがちな日本の暦ですが、それでも日本人が暮らしの中に、大きな営みの中に見つけてきた美しいものたち。
そんな思いをふたたび手繰り寄せ、栗笑むようなひと時となれば幸いです。
【お菓子】
栗納豆(すや)
【器】
前田正博先生 色茶碗
鎌田克慈先生 Uneri 溜
山笑う
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4月の喫茶去 山笑う
春。世の中がざわついていようとも、自然は変わりなく
再生の時を迎え、木々は芽吹き、花は蕾を付けています。
白餡にドライフルーツを混ぜ、炊き上げた小豆の粒餡で
包みそぼろをまぶして香ばしく焼き上げた和風の月餅。
桜の香りの紅茶とともに、季節の変わり目を元気に
乗り切っていただけますように。
◇お菓子◇ 香菓餅 (老松)
◇お 茶◇ スイートサクラティー (ティーブティック)
◇ 器 ◇ 寺島裕二 銀緑彩銘々皿 / 陶工房 斿 掻き落とし汲出
和やかな気持ちで…
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今月当苑初の個展を開催する松永圭太先生の器を愛らしいクッキーとコクのある和紅茶を取り合わせてみました。
様々な艱難が取り巻く状況。当苑で過ごされるひと時だけでもお寛ぎ戴ければ幸いです。
<お菓子> よねむらオリジナルクッキー(京都 新門前 米村)
<お茶> The Noir Spicy (Muromachi Ocharaka)
年満月・・・としみつづき
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12月の喫茶去 年満月
もう1年が過ぎてしまう…と、ちょっと寂しい12月。「年満月(としみつづき)」と呼ぶと、様々な出来事に満ちた締めくくりと思えてきませんか。
北海道産の小豆のこし餡、沖縄県西表島の黒糖、ラム酒で甘さを抑えて炊き上げ、ドライフルーツの苺と無花果、胡桃の入った大人の羊羹、和菓子に合う紅茶にヌワラエリヤを。
仄かに灯る明かりのような温かな黄色の寺島裕二先生の器と掌に収まるカップ&ソーサーで、1年を振り返ってみては…。
◇お菓子◇ wagashi asobi ドライフルーツの羊羹
◇お 茶◇ バシラーティー ヌワラエリヤ(スリランカで最も標高の高い山岳地帯で栽培されるお茶)
◇ 器 ◇ 寺島裕二 黄彩黒絵銘々皿 / 粉引黒彩碗皿
ふゆじたく
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2019年11月 ふゆじたく
ようやく涼しくなり、木々が色付き始める季節となりました。
今月は週替わりでそれぞれ展示予定の作家さんのお茶碗をご用意しております。
手に取り、お茶をいただきながら、じっくりとご覧くださいませ。
きな粉の香ばしさがお口の中に広がる州濱と、お抹茶の甘味を感じながら、ふゆじたくを始めませんか。
◇お菓子◇
州濱 (京都 すはま屋)
浅煎りの大豆粉と砂糖を水飴で丁寧に練り上げたお菓子です。
こちらのすはま屋さんは、360年の歴史をもつ京都の老舗「植村義次」の味を継ぐお店です。
◇お 茶◇
暁の白 (福岡 星野製茶園)
◇ 器 ◇
加藤亮太郎 小倉志野茶碗
太田修嗣 錫黒銘々皿
秋麗
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のどかな秋……
秋になると、子供の頃に落葉で焚いた“やきいも”を食べるのが愉しみだったっけ。
近頃では、焚火を焚くことも許されず、懐かしさが増すばかり。
今回は、ほっこりと心温まる金重巖先生と長岡絢美先生の作品を出してきました。
「自然のものを 自然のままに」と、鳴門金時を使ったお菓子一筋の【鳴門金時本舗 栗尾商店 「角」】と、
仄かに香るシナモンが心地よく鼻の奥に広がる【紅茶専門店 Uf-fu シナモンティー】を合わせてみました。
ゆったりとした秋の時間を過ごして戴けましたら幸いです。
◇器◇
金重巖先生 長角向付 六人揃
長岡絢美先生 デミタスカップ&ソーサー
◇お茶◇
紅茶専門店 Uf-fu シナモンティー
◇お菓子◇
鳴門金時本舗 栗尾商店 「角」
和三盆・柚子・胡麻・梅 いずれか1つ
雨月
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秋といえば月が最も美しく見られる季節ですが、各地の大雨や台風の様子を見ると
まだ少しお預けになりそうです。曇ってしまいがちな気分をはねのけて心地のよい
秋をお迎えしましょう。
◇お菓子◇
・ワンバイトチーズケーキ (GRAMERCY NEWYORK)
・マカロンボーロ (スプラウトジャパン)
◇お茶◇
・ブライトブルーアイ(カレルチャペック)
◇器◇
・Cup & Plate (内田鋼一)
涼味
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夏の厳しい陽射しの日には、水をしっかりと含ませた備前の器が目に涼を運んでくれます。
薄く轆轤で挽かれた火襷の器には大海原を悠然と泳ぐ海亀、タイマイの鼈甲を模した鼈甲羹、お茶はかつて徳川家康が愛飲していたという抹茶を復興させた静岡の本山抹茶。
黒糖のお菓子と、すっきりとした後味のお抹茶で一時の涼を感じて戴けましたら幸いです。
◇ 茶碗 陶工房 斿 唐津茶碗
◇ 器 陶工房 斿 伊部火襷向附
◇ 菓子 花乃舎 (三重) 鼈甲羹
◇ 抹茶 本山抹茶研究会 (静岡) 駿河の昔
夏の兆し
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日差しに初夏の清々しい明るさが感じられるこの時季
独特な存在感を生み出す松永圭太先生の器に
白い淡雪生地の中にピンクと紫と青 三色の琥珀を散りばめた爽やかなお菓子と
佐賀県嬉野町で無農薬栽培されたすっきりとした冷茶を合せました。
ぜひお楽しみください。
◇ 器 松永圭太 湯呑 / 菓子皿
◇お菓子 三英堂 季子ごよみ
◇ お茶 太田重喜製茶工場 水だし煎茶
春、麗かに
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窯の炎の勢いそのままの備前の焼き締めと端正で凛とした青瓷。一見、対極にあるかに見える両者を取り合わせると、双方には、余分な加飾のない、プリミティブであるという点で、驚くほど似通っているように思われます。
今回は春の華やかさを想わせるお菓子と新芽の息吹を感じられるお煎茶を合わせました。何かと『新』がつくこの月、陶苑でお愉しみ戴ければ幸いです。
『春の日の うららにさして 行く船は 棹のしづくも 花ぞちりける』 (源氏物語 胡蝶の巻)
・器 ・お菓子 ・お茶
備前 大桐大 亀屋清永 神楽坂 楽山
青瓷 渡部秋彦 春のうらら 松印